優待株投資の主な流れ
ここからは、投資を始めてから株主優待を受け取るまでの主な流れをご紹介します。
- 投資先の企業を選ぶ
- 実際に株を買う
- 権利確定まで株を持ち続ける
- 株主優待品が届くのを待つ
投資先の企業を選ぶ
まずはじめに、どの企業の株を買うかを選びます。
先ほどご紹介した条件にあてはまる株(=日本の株式市場に上場していて、株主優待制度を導入している会社)の中から、自分が投資したいと思える企業を探していきます。
選ぶ基準はもちろん人によって様々ですが、ここでどのような企業を選ぶかによって当然もらえる優待品も変わりますし、この投資を通して金銭的にどれだけ得をできるかも変わってきます。
最初は「欲しい優待品がもらえるかどうか」で選ぶのが正直一番分かりやすいですが、投資としてきちんと利益を出そうと思った場合には、もう少し別の角度からも考えてみる必要が出てきます。

優待株投資の中で一番頭を使うところでもあり、一番楽しいところでもありますね!
実際に株を買う
どの企業の株を買うか決めたら、ネット証券の画面から実際にその企業の株を購入します。
もし投資をするのが初めてで証券口座を持っていないという方は、先に口座開設の手続きも進めておく必要がありますね。
先ほど条件としてご紹介したとおり、この時には「単品買い(個別株)」で購入する必要があります。
具体的な買い方の手順はどのネット証券を使っているかによっても変わりますが、基本的には数クリック、数分で完了するため、この作業自体にさほど時間はかかりません。
強いて言うなら「いつ」買うかが重要になってくるのですが、これについては次の項目で詳しくご紹介します。
権利確定まで株を持ち続ける
株主優待を受け取るために必要な条件は、企業ごとに個別に定められています。
どの企業も必ず設けている条件として、〇月〇日時点で〇株以上を保有している株主に株主優待品を贈ります、というものがあります。

この日付を専門用語では「権利確定日」と呼びます。具体的な日付は各企業のホームページなどで確認できます!
例えばイオンの株主優待が欲しいなと思った場合、イオンの権利確定日は毎年2月末・8月末の年2回となっています。
一般的に株主優待の進呈は年1回の企業が多いですが、イオンのように複数回の優待権利を設けている企業もあります。
ここで言う月末は、平日の最終日(=最終営業日)です。
土日祝日は株式市場がお休みなので、月末が土日だった場合はその前日に繰り上がります。
そのため、2026年2月期であれば(月末28日が土曜日なので)2/27(金)までに100株を購入しておけばいいのかと思いきや…、ここで2つの注意点があります。
権利確定日ではなく、権利付最終日までに買っておく
実は、私たちがネット証券を通して株を購入してから、企業の株式名簿に情報が載るまでには
数日のラグが発生します。
先ほどのイオンの例で言うと、2/27(金)時点で株を保有している状態にするためには、その2営業日前にあたる2/25(水)までに株の購入を済ませておかないといけません。

この2/25のことを、専門用語では「権利付最終日」と呼びます。
2日前ではなく2営業日前です。
先ほどと同じく土日祝日は含まないので、間に土日が挟まる場合だと実質的には4日前ということになりますね。
もっと言うと、株式市場は現在午後15時半までの営業なので、例えば2/25の夜19時に株の購入手続きをした場合、通常は2/26の朝9時に株を購入した扱いになります。
これだと権利確定日には間に合わなくなってしまうので、2営業日前の15時半までに、購入手続きを済ませておく必要がありますね。
例外的に、PTS取引と呼ばれるシステムを使えば15時半以降でも株の取引をすることが可能です。
ただし証券会社によっては別途手数料がかかったり、注文方法や取引できる株の種類が限られるなどのデメリットもあります。
権利確定日直前は株価が高くなりがち
もう1つの注意点として、あくまで一般的な傾向としては…ですが、権利確定日直前は株価が高くなりがちです。
株主優待を受け取るためには、一度株を購入した後、権利付最終日を経過するまでその株は持ち続けたままにしておかないといけません。
先ほどのイオンの例で言うと、2025年10月現在、イオンの株主優待を受け取るために必要な資金は約18万円です。
この約18万円は、株を購入してから少なくとも2/25の間までは拘束されてしまい、自由に引き出して使うことはできなくなってしまいます。

例えば12月末から約2か月間資金拘束されるよりも、2/25付近に株を買ってなるべく短い期間で売却できる方が良いと考える人が多ければ、2/25付近で株を買う人が多くなり、株価もその分高くなる…というわけですね。
とはいえ、株価は政治や経済の状況などその他の要因にもかなり左右されるため、すべての企業の株価が必ずこの通りに動くわけではありません。
どれだけ期間に余裕を持って株を買っておくかも、一概に基準があるわけではないのですが…。
傾向としては、権利ギリギリで株を買うとちょっと割高になる可能性が高いくらいの感覚で認識しておくのが良いのかな、と思います。

ご参考までに、私自身は少なくとも1~2か月前には購入を済ませておくタイプです。
以上2つの注意点をまとめると、
- 株は権利確定日の2営業日前(の原則15時半)までに購入しておく
- できればもう少し期間に余裕を持って購入しておく方がいいかも
という点に気を付けて、購入のタイミングを決めていくのが良いと思います。
もちろん、一度購入した後に株を売ってしまうと株主優待は受け取れませんので、
少なくとも権利付最終日を過ぎるまでの間は、売らずに持ち続けておく必要があります。
先ほどのイオンの例でいくと、2/26(木)以降になれば、いつ株を売ってしまっても2026年2月期の株主優待はもらえます。
株主優待品が届くのを待つ
権利確定日を過ぎれば、あとは何もしなくても株主優待品が家に届きます。
具体的にどれくらいの期間で優待品が届くかは企業によってバラバラですが、一般的には権利確定月の約3か月後としている企業が多いです。

例えば3月末が権利確定の場合、優待品が届くのは大体6月下旬頃のところが多いですね。
企業によっては、「1年以上継続して〇株以上を保有している株主」といった保有期間の条件を
定めているところもあります。
この場合、はじめて優待品がもらえるのは1年以上先ということで…。本当に忘れた頃に届きそうですね(^-^;
先ほど、株を買うのは権利確定日よりある程度期間に余裕を持った方がいいかも、というお話をしました。
その期間も含めると、株を買ってから実際に優待品がもらえるまでには、短くても半年近く、場合によっては1年以上先といった感じで、かなりの時間がかかることになります。
優待株投資には、ある程度気長に待つ忍耐力も求められるかもしれませんね。
Next:優待株投資では何がもらえる?
優待株投資の概要がある程度つかめたところで、次は優待株投資で実際にもらえる株主優待品について、詳しく見ていきたいと思います!
※本記事でご紹介している内容は、記事公開日時点の情報です。優待内容が変更となっている場合もありますので、最新の情報は当該企業のホームページ等でご確認ください。
※本記事は特定銘柄の購入を推奨するものではございません。当サイトではいかなる責任も負いませんので、投資の最終判断はくれぐれも自己責任でお願いいたします。
この記事を書いた人

よこ
株主優待投資で資産5000万円を目指している人です。
投資家デビューから5年目、もうすぐ3000万円が見えてきました。
「”投資”としての株主優待投資」をモットーに、長期視点で資産増に貢献してくれそうな優待株を現物で約80銘柄保有しています。
詳しいプロフィールを見る
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